昭和元禄落語心中は、妙にホモっぽい漫画です。BLというのでしょうか。男子には良く分からない女性が書く漫画特有の、ホモっぽい感じがあります。けっしてホモは出てきません。安心してください。

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女性は必ず楽しめる漫画です。男性もホモっぽさがちょっと、引っかかりますが楽しめますよ。ストーリは3部構成ぐらいになっています。与太郎放浪編、八雲と助六編、助六再び編です。2部までが最高に面白いです。


落語を全く知らなくても楽しめます

さてタイトル通り落語の話です。が、落語を全く知らなくても楽しめます。刑務所で服役中、慰問に訪れた八代目有楽亭八雲の「死神」という演目で落語に魅せられた主人公・与太郎。彼は出所後すぐに八雲に弟子入りし、そこからストーリーが展開していきます。

このお話を「やくざな若者が落語を通して成長していくストーリー」と、単純に言いっきってしまうことはできません。それぞれ傷や重い過去を背負う登場人物たちが落語や恋を通し絡み合い、重くて深い人間模様を見せます。


落語に全てを懸ける元やくざ者の与太郎

ムショ帰りの与太郎。幼いころに事故で両親を亡くした小夏。その現場に居合わせながら二人を助けられなかった八代目八雲。小夏は本当に二人の死は事故だったのかと疑い、八雲を憎み、殺してやりたいとさえ思います。けれど愛する父の同門であり、その父の最も近しい友人であった彼から離れることができません。加えて落語を心底愛する小夏は、落語家としての八雲のことは認め、その芸を敬愛すらしています。憎いのに愛しい。その葛藤の中で苦しむ小夏と、それを見続ける八雲。その二人の間に入り込んでくる、落語に全てを懸ける元やくざ者の与太郎。

これだけの役者がそろっていて、ただ軽くて明るいだけの青春ストーリーなるはずもありません。ともすればドロドロしかねない、読んでいてうんざりするほど濃厚な話にななりかねない展開。しかし、そこはが著者・雲田はるこ氏の力のみせどころ。飽くまで軽快に、けれど少しの重みは残しながらすいすいと話は進みます。意図的に(?)昭和50年代の少女漫画っぽさを漂わせる絵柄も、読者すんなりと話について行けるよう、一役買っているかもしれません。


壮大なスケールのバトルもの、甘くてキュンキュン来る恋愛ものもいいけれど、大人のしっとり感を漂わせた深みのある漫画を読みたい。そんなふうに思ってる、特に「大人の女性」におすすめの漫画です。もちろん老若男女、幅広い世代にも受け入れてもらえる作品だとは思いますが、やはりこれは大人向けの漫画だと思います。

読後は落語に興味を持つのはもちろん、着物や古民家、振る道具なども気になり始めるかもしれません。特に女性たちが身につけている着物は粋で素敵で、カラーで見られないのが残念なほど。

ありきたりな言葉ですが、古き良き時代、昭和のアンニュイやパワー、明暗も全て見せてくれる「昭和元禄落語心中」。一度お手に取ってみて、決して損はしないと思いますよ。

心中とは

2つの意味があります。しんじゅうと読んだ場合は、《名・ス自他》男女が互いの愛情の変わらないことを示すため、いっしょに自殺すること。情死。「―をとげる」。また、深い関係にある、または同情している者が、いっしょに死ぬこと。 「一家―」。

しんちゅうと読んだ場合は、こころのなか。です。この漫画は「しょうわげんろくらくごしんじゅう」です。さてはてハッピーエンドなるか、バッドエンドなるか。

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